親愛なる君が人魚であるはずがない


「そっか…でもそうなるとストーリーがな」


「…なら困ったことがあったら海に叫んでよ。そうしたら助けに行くから」


「いや、今から脚の代わりに声をお前に渡すから」


「そうだった」



ユーリはこう見えても少し抜けているところがあります。


「じゃあ、手紙を海へ流して。海は私達人魚へと繋がっているから」


そう言うと彼女は自身の髪に挿していたユリの花を姫に手渡しました。


「お守りよ、カレンちゃんが迷わないための」


「子供扱い?」


「ううん、もう会えなくなる最愛の親友へ贈るのよ」

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