もしも明日が見えるなら
出逢い
「秀太!ジュースなくなった!
もう一杯くれよぉ!」
酔っ払いのおっさんのような声を出す真希。
格好もスウェットで丁度合っている。
今夜は真希の父親が出張なので、泊まりで秀太の部屋でゲームだ。
高校から帰ってきてすぐにゲームさせられた秀太は、制服のままだ。
共働きの秀太の親もまだ帰ってきていない。
「えー‼
自分で入れてこいよー、さっきから俺何回入れに行ってやってると思ってんねん!」
「いやさ、そこはさね。
私はお客様だからさー……駄目?」
真希は上目遣いで秀太に頼んだ。
「…………駄目…」
「ちぇー、じゃあもうペットボトルごと全部飲んでくるからちょお待ってて
先にゲーム始めたらあかんで!」
「…はいはい」
そう言って、真希はグラスを持って立ちあがり秀太の部屋をでて1階の台所に向かって階段を降りていった。
「あ!真希ーー!亮介の分は残しといってやってなー!」
「あ?!うん、了解!」
(あ、亮介そろそろ帰ってくっかな?)
そんなことを思っているとチャイムが鳴った。
ピーンポーン