もしも明日が見えるなら
ピーンポーン
秀太が立ち上り1階へ降りていく。
真希はその背中にへばりついて行った。
秀太は背中が熱いまま、インターホンを覗くと。
「あれ?浩じゃん!」
秀太はそう言うと、玄関に行きドアを開けた。
「おっ!秀太!やっぱりここお前ん家だったんだな!」
「おう、そうだけど。何しに着たん?てか、何で俺ん家知ってんだよ!」
「部活終わったら、
雨が降ってきてさ自転車パンクしてて、
駅まで歩いてたら3回くらい車の泥はねにあって、
駅に着いたら金持ってくんの忘れてたからここら辺の奴に片っ端から電話して金を貸してくれって頼んでたんだよ」
「それで、何で俺ん家何だよ!俺、電話何かかかってきてねーぞ」
「おう、かけてねー
吉田が駅からまあまあ近くて、家でかいから秀太ん家なら泊めてくれるって教えてもらってきた」
「吉田の奴!あいつん家のが駅からちけぇーつーの!」
二人がそーこー話してると、秀太の腕ぎゅっと少し引っ張られた。
「なー、結局誰なの?」
真希がまだ秀太の後ろに隠れたまま、秀太を見上げるようにして聞いた。
「さっき、出てきた子や!さっきは驚かせてごめんな
お前の妹?」
急にこっちを向き話しかけられ、真希はビクッと驚いた。
「いや、幼なじみでお隣さん。同じ高1やで」
「あ、そうなん。小さいなー」
真希は156cmくらいで華奢だった。
その人と比べると20cm程差があった。
「俺、荒井浩太郎!秀太と同じ北高や、よろしく」
「私は朝比奈真希です。よろしく…ぉ…ねがいします」
真希は秀太の背中から少しでて言った。
「高校はどこ……はっっっっっつ…くしゅん」
浩太郎は大きな声を出してくしゃみをした。
ずっと玄関で、浩太郎が雨に濡れていることを秀太は忘れていた。
「まあ、とりあえず上がれば?寒いやろ?シャワー貸したるわ」
浩太郎は鞄を持って、秀太について入った。
真希はドアを閉め、リビングへとついて行った。