彼氏様は俺様彼氏♡〜永遠のlove〜
暑い顔を平然に装って、勇気を振り絞りドアをノックした。
が、返事はなく。
ど、どうしよ……って、うん?
なんか話し声が聞こえる。
よくないと思っていても、ちょっと気になってしまってドアを静かに開けてみた。
そこに映し出された光景は、居てもたってもいられず後ずさりをしてしまう。
そのとき、何かに躓き物音がたった。
_______ガタッ
あ、ヤバい!!
物音で戒と女の人はこちらに気づく。
「な、夏弥……?って、おい夏弥!」
私は気がつけば走っていた。
あんな光景見たくないよ……
あんな光景とは、取り引き先の人だったかな?
その女の人と戒がキスをしていた。
マンガやドラマみたいなシチュエーション。
こんなことが現実に起こるなんて……。
いや、むしろ初めて会って婚約者になり同棲ってこと自体が現実離れしてるような……。
そんなこと考えながら走っていると、気づけばどこにいるかもわからなかった。
兎に角、無我夢中で走り続けた。
悲しくて、辛くて、走り続けたのだった。