彼氏様は俺様彼氏♡〜永遠のlove〜





なのに苦しくて辛くて、何も言い返す元気なんてなかった。





素直に追いかけてきてくれたのは嬉しいけど、あの女の人とキスしてた。



ただの取り引き先の人じゃないじゃん。





「ったく、仕方ねぇやつ。
ほら、お前も拾うの手伝え」



そう言って戒はしゃがんで、落ちたおかずを拾い上げていく。



私もやらなきゃならないのに、動くことができない。



それどころか勝手に口が開いて、言いたくないことを口走ってしまった。





「……だ」



「は?」



「もうヤダ!!戒との婚約も、こんな生活ももう嫌だ!

何が取り引き先の人よ。

キス……してたくせに……

仕事中に女の人とイチャイチャしてるなんて!

それに前だって、仕事してるはずの戒が
どうして外であの女の人と仲良く歩いてたの?

干渉すんなって言われても、しちゃうんだもん

気になっちゃうんだもんっ!!!

もう、やめる。

脅すなら脅せばいい。

パパには申し訳ないけど、戒との婚約を破棄する」





言い終わると私は、はっ!と我に返った。



でも、そんなの遅くて……


戒は怒ってる様子だった。





「……そうか。

言いたいことはそれだけか?」



怒ってる顔なのに、どこか寂しそうな顔をしてる戒。



なんなの?戒の考えてることは何?



さっぱりわからないよ……。





< 77 / 137 >

この作品をシェア

pagetop