彼氏様は俺様彼氏♡〜永遠のlove〜
なのに苦しくて辛くて、何も言い返す元気なんてなかった。
素直に追いかけてきてくれたのは嬉しいけど、あの女の人とキスしてた。
ただの取り引き先の人じゃないじゃん。
「ったく、仕方ねぇやつ。
ほら、お前も拾うの手伝え」
そう言って戒はしゃがんで、落ちたおかずを拾い上げていく。
私もやらなきゃならないのに、動くことができない。
それどころか勝手に口が開いて、言いたくないことを口走ってしまった。
「……だ」
「は?」
「もうヤダ!!戒との婚約も、こんな生活ももう嫌だ!
何が取り引き先の人よ。
キス……してたくせに……
仕事中に女の人とイチャイチャしてるなんて!
それに前だって、仕事してるはずの戒が
どうして外であの女の人と仲良く歩いてたの?
干渉すんなって言われても、しちゃうんだもん
気になっちゃうんだもんっ!!!
もう、やめる。
脅すなら脅せばいい。
パパには申し訳ないけど、戒との婚約を破棄する」
言い終わると私は、はっ!と我に返った。
でも、そんなの遅くて……
戒は怒ってる様子だった。
「……そうか。
言いたいことはそれだけか?」
怒ってる顔なのに、どこか寂しそうな顔をしてる戒。
なんなの?戒の考えてることは何?
さっぱりわからないよ……。