私の隣〜小さな天使〜
「いや…ただ仲がいいなと。」


「姉妹だからね。
 じゃあ行ってくるから。」


楓の言葉の意味が別だと思った私は,目を合わせることなく家を出た。


優の前で余計なこと言わなければいいけど…



「憂ちゃん!」


車の中から『早く』と手招きする優に笑みが零れる。


それと同時に罪悪感が生まれる。


不可抗力だったって分かってるけど,優に寂しい思いをさせたことは事実だから。


車に乗り込むと中には優と…久世さん。



「おはようございます憂様。」


「おはようございます。」


久々に会う久世さんの笑顔は,優が嬉しそうにしているのを見たからか,ぎこちなかった。


あの事故のことを1番気にしているのは久世さんだと思う。


全然悪くないのに『ちゃんと別荘まで送っていれば…』ってずっと自分を責めてる。


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