私の隣〜小さな天使〜
「ねぇ何で楓なの?」


失礼かもと思いながら聞いてみる。



「ん−…馬鹿だから?」


…はい?

その理由は一体…



「悩んでることとかあっても楓見てたら落ち着くっていうか…
 はじめて隣にいて欲しいって思えた人なんだよねぇ。」


『私にもよく分からない』と私より失礼なこと言った優の表情が,楓が好きだ,と言っていた。


認めなきゃだなぁ。



「憂ちゃん…
 これからも一緒に出掛けたりできる?」


弱々しく発せられた声に思考が止まる。



「今度は紫音と鈴音と4人で一緒に。」


「もちろん。
 また買い物行こう?
 いつでも…何度でも…」


『紫音と鈴音と』その言葉の裏に優の“寂しい"が見えた。


俯いたままの優に手を伸ばす。



「最後にするから…
 我が儘言っていい?」


優の頭を撫で『いいよ。』というと,涙と一緒に言葉が流れ出てきた。


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