私の隣〜小さな天使〜
「はじめまして鈴音様,紫音様。」


久世さんは紫音と鈴音に涼しい顔で挨拶するが,私に見せた表情はどうみても困惑気味。


紫音と鈴音が久世さんを知ってることってそんなに驚く…?



「ひめぇ…今日はおはなしできるの?」


鈴音が私の服の裾をギュッと握って,小さい声で聞く。


『今日は』という言葉に泣きたくなる。


この子たちは久世さんを前から知ってる。


私が話をしたってのもあるけど,よくこの家に来るから何度か久世さんを見てる。


無意識に紫音と鈴音を避けていた久世さんに,私は2人を会わせることができなかった。


その度に『遊びたい』『お話したい』と言う子供たちを私は宥めるしかなかった。


でも,もうそんな意味のないことは終わらせるべきだ。


誰もいい思いなんてしないから。


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