私の隣〜小さな天使〜
「紫音〜
 どこ行ったぁ?」


どうやら紫音は勝手に蜜華の手からすり抜けてきたらしい。


聞こえてないふりをして,紫音は私にくっついたまま。


滅多にないもんね。



「あっこんなとこいた!
 …憂?」


リビングに来た蜜華は一瞬にして気付いた。


紫音同様,楓を睨みつける。



「ひめがかえでじゃないって。」


紫音に諭され,蜜華は苦笑い。


楓に一言謝り,私の横に座った。



「昌から…連絡来てた。」


「私も。」


怖くて見てないけど。


様子を見る限りじゃ蜜華も同じだと思う。



「原因とか聞いていいっすか?」


「「浮気疑惑」」


躊躇なく言い放つ私たちに,楓は何ともいえない表情。


紫音は泣き疲れたのか寝ちゃってるから遠慮はいらない。



「職場で女と抱き合ってるの見ました〜」


「仕事って言いながらレストランで女と仲良く話していました〜」


これには楓も顔をしかめる。


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