元カレバンドDX
 それに、大の男が泣きながら反省しているなんて、2度目の過ちはもうないと思った。

「……ううん、別れる」

「へ!?なんでよ!?」

 あたしはこのとき初めて危機を感じた。

「浮気」なんて、許せば済むものだと思っていたのだ。

「嫌だよ!絶対別れたくない!」

 今度はあたしが泣きそうになる。

「なんで別れたいの!?お互い好き同士なのに別れる理由があるの!?」

 風太の不安定な精神を読み取れるほど、あたしはまだ「彼女」じゃないのかもしれない。

「ごめん……ごめん……ごめん……ごめん……ごめん……」

「ごめん」しか言わない風太に、あたしはもうお手上げになった。

「わかった。それじゃあ少し時間を置こう?それでまた考えよう?」
< 100 / 237 >

この作品をシェア

pagetop