元カレバンドDX
 基本的に、1度決まったシフトには、変更がきかないバイト先だったので、あたしは真剣に悩んだ。

 そして、悩みに悩んだ末に、あたしはひとつの決断をしたのだった。

 そうだ!本人に聞いちゃおう!と。

 思い立ったあたしは、すぐに風太に電話をした。

「あ、もしもし?風ちゃん?あのね、あたし、クリスマスの予定はどうしたらいいと思う?あたしね……」

 ちょうど友達とファミレスにいたという風太は、電話の向こう側で慌てて席を移動していた。

「陽愛ちゃんストップ!!その先は言わないで!!今度会ったときに、オレが言うから!!」

 その言葉を受けて、24・25の欄に「×」をつけ、やっとバイトのシフトを提出することができたのだった。

 今、思い出してみてもにやけちゃうような、顔がほころんじゃうみたいな?

 そんな恋愛が風太と出来て、あたしは何気に感謝している。

 風ちゃん、ありがとう。

 あたしはこの通り元気でやっているから安心してね。

 なあんて。
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