元カレバンドDX
 あれから2週間が経ったとある日。

 スマホとにらめっこをして何時間が経ったのだろう。

 あたしは、自分の部屋でひとり、天井を仰ぐようにベットにころがった。

 テレビの横のデジタル時計は「15:06」を知らせている。

 あたしが19歳になってから、15時間と6分が経過したらしい。

 そう、今日はあたしの記念すべき10代最後の誕生日なのだ。

 けれど、スバルからは何の連絡もない。

 あたしは、昨日の夜から、顔にパックをしたり、マニキュアを塗ったりと、余念なく準備をしているのに……。

 今だって、いつでも外へ出られるように、言うならば、いつでもスバルに会えるようにと、化粧をばっちり施して、お気に入りのワンピースに身を包んでいる。

 朝からスバルを待っているのだ。

 それなのに、いまだにスバルからの連絡はない。

 しかし、当日まで何の連絡もなく待たせるなんて、きっとすごいサプライズを用意してくれているに違いない。
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