元カレバンドDX
2人目。
エピソード②on drums 風太
【2020@ミーティングルーム】
ガラス張りのミーティングルーム。
テーブルの上には紙コップに入ったコーヒーが5つ。
あたしは、一口飲んで、「熱っ!」と叫ぶ。
ミーティングの時間になっても姿を現さないプロデューサーとマネージャーを、メンバー全員で待っているのだ。
「来ないね~。風ちゃん、電話してよ」
「でもまだ5分しか経ってないし、もう少し待とうよ」
「え~でもなにやってんだろうね~」
あたしは、必要以上に語尾を伸ばして、ご機嫌斜めをアピールした。
「あ、ねぇ、スバル?」
スバルは音楽雑誌に目を落としたまま、反応をしない。
「え?なに?無視ですか?」
あたしが語気を強めると、ドラムの風太(ふうた)がスバルの肩を“ちょん”と叩いた。
「あ?え?なに?」
「陽愛ちゃんが、声掛けてるよ」
ガラス張りのミーティングルーム。
テーブルの上には紙コップに入ったコーヒーが5つ。
あたしは、一口飲んで、「熱っ!」と叫ぶ。
ミーティングの時間になっても姿を現さないプロデューサーとマネージャーを、メンバー全員で待っているのだ。
「来ないね~。風ちゃん、電話してよ」
「でもまだ5分しか経ってないし、もう少し待とうよ」
「え~でもなにやってんだろうね~」
あたしは、必要以上に語尾を伸ばして、ご機嫌斜めをアピールした。
「あ、ねぇ、スバル?」
スバルは音楽雑誌に目を落としたまま、反応をしない。
「え?なに?無視ですか?」
あたしが語気を強めると、ドラムの風太(ふうた)がスバルの肩を“ちょん”と叩いた。
「あ?え?なに?」
「陽愛ちゃんが、声掛けてるよ」