元カレバンドDX
しゅんと下を向くと、横から笑い声が聞こえた。
「今さ、さらりと『Hなしなんて考えられないです~』とか言ってたけど、陽愛ちゃんて、そうゆうキャラだったんだ、知らなかった~」
「え~なんで笑うんですか~!?」
思わず手に持っていたハタキを宙に向かってぶんぶんと振り回した。
「ずっとおとなしい子だなぁ~って思ってたけど、今まで猫かぶってたんだ。まさか陽愛ちゃんがむっつりとは……」
口に手を当てて大げさなお芝居をする先輩は、あたしの反応を楽しんでいるようだ。
「え、あたしってむっつりなんですか!?」
聞き返すあたしに、「でも、そっちの陽愛ちゃんの方が好きだけどね~!!」と、猫目を細めながら、先輩は八重歯を出してニッと笑った。
「まぁ、がんばりなよ!!応援してるからさ。陽愛ちゃんと風ちゃんの初H大作戦!!」
「大作戦って……!?」
この人は随分安直な作戦名を考えるなぁと、彼女の耳元で囁くように揺れるドクロに、心の中で話しかけた。
「でも、本当になんで何にもしてこないんだろう……今日、バイト上がってから風ちゃん家に遊びに行くんですけど、こうなったら勇気を出して聞いてみようかな……」
「うん、そうしなよ、報告待ってるね!!」
先輩の言葉のあと、同時に店長の顔を確認したあたしたちは、すぐに会話を止めて作業に戻った。
(むっつりなのか!?あたし!?)
ハタキをかける手が、なぜか乱雑に動くのだった。
「今さ、さらりと『Hなしなんて考えられないです~』とか言ってたけど、陽愛ちゃんて、そうゆうキャラだったんだ、知らなかった~」
「え~なんで笑うんですか~!?」
思わず手に持っていたハタキを宙に向かってぶんぶんと振り回した。
「ずっとおとなしい子だなぁ~って思ってたけど、今まで猫かぶってたんだ。まさか陽愛ちゃんがむっつりとは……」
口に手を当てて大げさなお芝居をする先輩は、あたしの反応を楽しんでいるようだ。
「え、あたしってむっつりなんですか!?」
聞き返すあたしに、「でも、そっちの陽愛ちゃんの方が好きだけどね~!!」と、猫目を細めながら、先輩は八重歯を出してニッと笑った。
「まぁ、がんばりなよ!!応援してるからさ。陽愛ちゃんと風ちゃんの初H大作戦!!」
「大作戦って……!?」
この人は随分安直な作戦名を考えるなぁと、彼女の耳元で囁くように揺れるドクロに、心の中で話しかけた。
「でも、本当になんで何にもしてこないんだろう……今日、バイト上がってから風ちゃん家に遊びに行くんですけど、こうなったら勇気を出して聞いてみようかな……」
「うん、そうしなよ、報告待ってるね!!」
先輩の言葉のあと、同時に店長の顔を確認したあたしたちは、すぐに会話を止めて作業に戻った。
(むっつりなのか!?あたし!?)
ハタキをかける手が、なぜか乱雑に動くのだった。