元カレバンドDX
 なんて淡い期待を裏切って、風太はキスを終えると、またテレビを見始めた。

 どうやら、キスをしたのは、お笑い番組がCM中だったからのようだ。

(もう、こうなったらあたしから聞くしかない!)

 意を決したあたしは、風太に話しかけた。

「ねぇ、風ちゃん、なんでHしないの?」

「はい!?」

 彼女にこんな質問をされて、驚きを隠せない様子の風太がいた。

「だって、もう付き合って1カ月も経つし、あたしの家にもよく泊まりに来てるのにさ……なんでなんにもないんだろう?って。風ちゃん、キスしかしないでしょ?あたしって、女として魅力ないかな?」

「…………」

 風太がなにも言わないので、あたしはさらに続けた。

「あたし、胸とか全然ないし、やっぱそういう対象に見れないとか?」

「いや!違うから!全然!」
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