元カレバンドDX
 彼は、まだ18歳なのだ。

 18歳なんて、1番盛りがついているときではないか。

 スバルとの思い出は「お台場」と「H」しかないのに……。

 そんなことを考える同時に、「なんだ。そういう理由だったのか」と、あたしは安堵し力が抜けた。

「あ、でも陽愛ちゃんがしたいっていうなら、オレ、なんでもするから!」

 あたしの目はキラリと輝き始める。

「あたしね、風ちゃんのこと大好きだから、やっぱり身体もひとつになりたいなって思う」

「そうだよね!でも、ここだと下に親がいるしな……そうだ!ラブホ行こっか!陽愛ちゃん!」

「ラブホ!?」

 望んでいたこととはいえ、こういう急展開に、あたしの胸はときめきを抑えられない。

「あたし、初めて……行ったことない、ラブホ……」

「じゃあそうしよっ!陽愛ちゃんの初ラブホゲットなんて嬉しいな~やったー!!」

 風太は布団から抜け出すと、「また着替えなくちゃ!」と言って、今度は部屋着からジーンズへと着替え始めた。

そんな無邪気な風太の姿を見て、いろんな意味で、思い切って話してよかったなぁと、あたしは胸をなで下ろすのだった。
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