貴方との奇跡
歓迎会の日。

私は、ワザと横山先輩の遠い席に座った。

そして、携帯をにごり締め電話が掛かって来る事を祈った。

そういう日に限って電話掛かって来ない。

1人ぼーっとしてたら

「最近、元気ないけど。大丈夫?」

中山先生だった。

「何か世の中変に動き出したから疲れただけ。」

烏龍茶飲みながら答えた。

「原因は横山先生だろう。聞かれたよ。木村の事。」

でしょうね。こいつお喋りだから、ある事ない事話してるんでしょう。

「何も話して無いから。」

びっくりした。絶対話してると思ったから。

「別に話して良いですよ。何で救命センターにいないで訪問看護やってるか。」

投げやりになった。
だって、どうしたら良いか解らないから。

「あいつだろう。別れた彼氏。」

確信付いて来やがって。

「中山先生。こっち来て下さい。」

遠くから中山先生が呼ばれた。

「呼ばれてるよ。先生。この話はお終い。」

心配してくれてる中山先生を追い払った。

今は1人でいたかった。
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