white coat


「……杏乃?」


「ッ…ハァッ」



だから言ったのに



…思い出すんだよ



「杏乃、どうした?」


「だ、からッハァ……やめ…ハァッ」



「そんな怖いのか」



そう言って聴診器を抜いた




「ハァッハァ…ケホ」


「深呼吸」



「…さわ、んなッ!!」



背中をさする手を振り払った



今触られても思い出すだけ



「杏乃、水飲んで」


「ハァッ…ハァ」



なんでこいつに命令されなきゃなんないの



「強がんな」



あーむかつく!



強がってなんかない



そう口を開こうとしたのに



いきなり視界がゆがんで




真っ暗になった




< 12 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop