white coat




1月くらいたった頃



心も体も傷だらけで、立つことも億劫になるほどに




そんなとき、来飛から連絡が来た




「…もしもし…?」



「お前今どこにいるの?」



「…え?」



「宮田先生に聞いた。2ヶ月連絡つかないって。なぁ。何かあったのか?」



「……なんも」




「なんもない訳ないよな。その声なんだよ。前はもっとうるさかっただろ」



「……」



「なぁ。宮田先生心配してんぞ」



「…しってる」



そんなの…毎日来る着信でわかる



「会えよ。会って話せよ。」



「むりだよ…」




今のあたしは、明音に会える状況なんかじゃない



「会え。お前はこのまんまでいいと思ってんの?」



「そんなの…」




思ってるわけないじゃん



「ちゃんと会って話せよ」



「…わからないでしょ?」



「は?」



「来飛にあたしの気持ちなんかわからないでしょって。

あたし、明音に会えるほど余裕ないから」



ぶっきらぼうにそう言い放って携帯の電源を落とした





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