white coat
昨日から全然笑わない杏乃
今はまだ聞けないけど…
ちゃんと聞かなきゃな。ここまで傷が深くなった理由
病院について助手席を見れば眠っている杏乃
やっぱ昨日ちゃんと寝れなかったのかな
とか考えながら杏乃の肩を揺らす
「杏乃、ついたよ」
「…ん…」
目を擦ってからドアを開けて外に出た
院内に入ると俺がナースや他の先生と挨拶してる横でスーツの裾を握りながら歩く杏乃
「あ、先生おはようございます。…あ、その子が…?」
1人の先生の前で止まると杏乃が恐る恐る顔を上げた
「ああ、そう。杏乃。傷が結構酷いみたいだから外科の先生にお願いしてもい?」
「え…」
一気に顔を強ばらせた杏乃
「杏乃ちゃん?今日はよろしくね」
女の先生だから大丈夫だと思ったんだけど…
「…やっ…」
俺の後ろに隠れた
「…明音じゃないなら…帰る…」
「杏乃…でも傷治さなきゃ」
「むり…」
「杏乃ちゃん、頑張んなきゃ」
「俺もついてるから。な?」
「……」
「じゃあ美海先生、お願いします」
「了解です」
1人不安そうな杏乃と美海先生と一緒に治療室に向かう