white coat
俺の診察室に移動してドアを閉める
「落ち着こ?」
息の荒い杏乃の背中をさする
「…ヒック…ハァ…」
「大丈夫?」
「…ん…ハァ…」
「怖がらなくていいよ。俺は何もしない」
「……」
静かにゆっくり、俺の胸に顔を埋めた杏乃は、すごく小さくてガラスみたいにすぐ壊れてしまいそうだった
「大丈夫…」
ふわっと抱き締めると落ち着いてきたみたいで、手の震えもなくなった
「…ごめんね…泣き虫で…」
「全然余裕。いっぱい泣け」
「…明音…」
「ん?」
「多分これからいっぱい迷惑かけるけど…嫌いにならないでね…」
「なると思うか?俺は杏乃がいないと無理だから。俺にはいっぱい迷惑かけろ」
「…うん」
最後に1回ぎゅっと抱き締めて腕を離す