white coat



俺の診察室に移動してドアを閉める



「落ち着こ?」



息の荒い杏乃の背中をさする




「…ヒック…ハァ…」



「大丈夫?」



「…ん…ハァ…」



「怖がらなくていいよ。俺は何もしない」


「……」



静かにゆっくり、俺の胸に顔を埋めた杏乃は、すごく小さくてガラスみたいにすぐ壊れてしまいそうだった



「大丈夫…」



ふわっと抱き締めると落ち着いてきたみたいで、手の震えもなくなった




「…ごめんね…泣き虫で…」



「全然余裕。いっぱい泣け」



「…明音…」



「ん?」


「多分これからいっぱい迷惑かけるけど…嫌いにならないでね…」



「なると思うか?俺は杏乃がいないと無理だから。俺にはいっぱい迷惑かけろ」



「…うん」




最後に1回ぎゅっと抱き締めて腕を離す





< 176 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop