white coat
もう1度目を瞑るとすぐに眠れた
怖い夢を見た
栞愛ちゃん達があたしを何度も殴る
その中にはなぜかお母さんもいて
夢のはずなのに痛みも感じるような
妙に現実味のある夢
何度も迫ってくるあたしを傷つける手
怖くて苦しくて
痛くて辛くて
そして、悲しくて…寂しくて…
明音を何度と何度も呼ぶ
「…い…お…おい!」
その夢から覚めたのは、また春輝先生の声
夢のはずなのに夢じゃないみたいに、どうにもできない恐怖感があたしを襲った
「…うッハァッ」
声にならない苦しさと引換に涙が溢れる
「大丈夫か。すぐ先輩呼ぶから」
そう院内用の携帯を取り出した先生
明音に迷惑はかけたくない
だけど…今はどうしようもなく会いたい
明音の温もりにすがりたい
そんな思いでいっぱいだった