white coat




あたしがやっと落ち着いた頃


「杏乃ちゃんさ。1回俺んとこ来ない?」



「…え?」


静かに横であたしの背中をさすってくれていた春輝先生が口を開いた



「5階の東棟に相談室ってところがあるんだけど。俺そこにいるから。来てみる?」


「行ってみたら?杏乃」


あたしに視線を合わせてしゃがむ春輝先生と、あたしの頭をなでる明音



「……でも」


「よし。暇つぶしにでも来てみ。どうせもう眠れないでしょ?」


「う、うん…」


「緊張することないよ。ただぐだぐだ話すだけだから。話したくなかったらぼーっとしてるだけでもいいし」



にこっと向けられた笑顔になんだかすこし安心感をもてて


ゆっくり首を縦に振った



「じゃあ、ちょっと借りますね」


「おう、頼んだ。じゃ、ちょっとゆっくりしてこい杏乃」


「うん…」



行こっか


という春輝先生の後ろをちょこちょこ歩く


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