white coat



顔を膝に埋めて、恐怖に怯える


おねがい…


これ以上あたしを壊さないで





いつの間にか眠っていたらしい



気づけば午後6時を回っていた




隣にはじろうも寝てる


「…夕飯」


作らないと





立ち上がってリキッチンに行く



冷蔵庫にあるもので野菜炒めとお味噌汁を作った



ちょっと質素かな…



でも疲れて動く気になれなかった



夕飯を作り終えてまたソファに腰掛ける



テレビをぼーっと見ているとテーブルの上の携帯がなった




明音からだ



「もしもし」


「杏乃、ごめん今日帰れそうにないんだ…急患が入っちゃって…ごめんな」


寂しそうに電話越しにそう伝える明音



「そっ、か…わかった。」



「何かあったら連絡して?」



「うん」



「じゃあ…また明日な?」


「うん、お仕事頑張ってね」



「おう、ありがと」




電話を切ると、寂しさがこみ上げて無性に泣きたくなった



「…明音…」







1人はやっぱり寂しいよ







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