white coat
少しじゃれあっているとガチャ という音と一緒にドアが開いた
…まて。そういえばここどこ?
「あ、起きてる」
こいつ…
誰だっけ… この男と寝たっけ…?
「今にも倒れそうな君を助けてあげたんですけど?」
「ああ……」
それで家に連れ去られたんだっけか
「体調大丈夫?」
「うん。お陰様で」
ちょっと頭が痛いくらい
「よかった」
「ありがと…」
「おう。てかお前そんな顔して笑うんだな」
「え?」
あたし笑ってた?
「その犬。可愛いだろ」
「うん。…かわいい」
「拾ったんだよ、昨日」
「昨日?」
人懐っこ!
「名前。何がいいか決まってなくて」
「もこもこ…」
「もこもこ?ありきたりすぎねーか?」
「じゃあこもこもは?」
「なんだそれ」
ははっと笑うそいつ
「じ、じゃああんたは何がいいの?」
「俺はー…じろうかな」
「なにそれ昭和」
このふわふわの犬にそれはセンスなさすぎない?
「いいもんなー、じろう」
「…まぁあたしの犬じゃないし。いいんじゃない」
「まあな」