みんなみたいに上手に生きられない君へ
「ああ......、うん、ありがとう、お願い......」

「ノートくらいいつでも見せるからね。
勉強もよかったら......、教えよう、か?
次のテストの時、一緒に勉強する?
教えるの下手かもしれないけど、一緒に勉強したら、一人よりは良いかもしれないし」



一人の方がはかどる、という人も多いかもしれないけど、今の時点で全部赤点なら、勉強方法を変えた方がいいのかもしれない。

私も人に教えられるほどではないけど、一応テストの順位は毎回30番以内をキープしている。

もし少しでも和也くんの力になれるなら......。

差し出がましいと思われないか不安だったけど、今までに見たことがないくらい暗い表情のままの和也くんが心配で、どうにか助けたくて、そんな提案をしてみる。



「......気持ちは嬉しいけど、遠慮しとく」



痛々しいくらいの作り笑顔。
なんだかこのまま放っておくと、和也くんがどこかにいなくなってしまいそうだ。



「......あ、そうだよね。私じゃ教えるの下手かもしれないし......。じゃあ圭佑くんとかに頼んでみる?」
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