みんなみたいに上手に生きられない君へ
いや、それよりも、珠希ちゃんとずいぶん親密そうだったのが気になる。



「珠希ちゃんと渡辺くんって、仲良いの?」



教室までの階段を上りながら、珠希ちゃんの顔をちらりと見ると、珠希ちゃんはにぱっと笑う。



「まあね。ていうか、元カレ?
あれ、知らなかった?」

「ええ!?そうなの?」

「一年の時にちょっとだけ、ね~。
すぐ別れたから、つっきーは知らないか」


珠希ちゃんと渡辺くんが?

何でもないことのように、さらっと衝撃的なことを暴露されて、さすがにびっくりだよ。


もしかしたら聞いたかもしれないけど、一年の時は渡辺くんのこと知らなかったし、珠希ちゃんの彼氏はしょっちゅう変わるから、名前を聞いても忘れてしまったのかもしれない。



「そうなんだ......。
別れたのに、友だちでいられるのってすごいね」



誰とも付き合ったことないから分からないけど、そういうものなのかな?

さっぱりしてて珠希ちゃんらしいと言えば、らしいけど......。




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