みんなみたいに上手に生きられない君へ
家に着くまでの間、色々話しかけてくれた前田くんとは違って、渡辺くんは自分から話しかけてくることはなかった。
私も何を話しかけていいのか分からず、街灯もほとんどない暗い夜道の中、無言でふたりで自転車をこぐ。
......気まずいけど、お互いに最初から会話をしようという気がない分、さっきよりも気は楽かもしれない。
一言も会話もないまま、家の前につくと、ちょうど仕事から帰ってきたのか、車から出てきたお母さんと鉢合わせ。
私がただいまとお母さんに声をかけると、渡辺くんもこんばんは、と小さく頭を下げる。
「じゃあ、また。学校で」
「う、うん。送ってくれてありがとう」
それから私に一言だけ声をかけると、渡辺くんはさっさとその場を離れた。
結局一言しか話さなかったな。
いや、さっきのは話したうちに入らないかもしれないけど。
私も何を話しかけていいのか分からず、街灯もほとんどない暗い夜道の中、無言でふたりで自転車をこぐ。
......気まずいけど、お互いに最初から会話をしようという気がない分、さっきよりも気は楽かもしれない。
一言も会話もないまま、家の前につくと、ちょうど仕事から帰ってきたのか、車から出てきたお母さんと鉢合わせ。
私がただいまとお母さんに声をかけると、渡辺くんもこんばんは、と小さく頭を下げる。
「じゃあ、また。学校で」
「う、うん。送ってくれてありがとう」
それから私に一言だけ声をかけると、渡辺くんはさっさとその場を離れた。
結局一言しか話さなかったな。
いや、さっきのは話したうちに入らないかもしれないけど。