【短編】貝殻の向こうに恋は消える
貝殻の向こうに恋は消える


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親愛なるあなたへ


えっと、なにを書いたらいいのかな。初めてで、ほんとはなにを書いていいかわからないの。でも、ちゃんとお別れを言わないきゃいけないと思って書きました。


 まず初めに、私のこと拾ってくれてありがとう。どこの馬の骨とも分からない私が倒れているのを助けてくれてありがとう。助けてくれたのが君でよかった。

君は僕のしたいことをしただけだとか、別に私のためじゃないとかいうんだろうけど、ほんとは私のために沢山考えてくれていたこと知っているよ。とても優しい人だって私は知っているよ。

人と関わるのが苦手なのに、沢山私と関わろうとしてくれたよね。市場に行った時は迷子にならないように手を繋いでくれた。砂浜でお城作りたいって私が言った時は呆れた顔をしていたけど、最後まで一緒に作ってくれた。

あとね、君は料理が得意だけど、一人の頃の朝食は殆ど作っていなかったでしょ? お友達に聞いたの。朝弱いんだよね。そういえば、目元擦っていたのを言われてから気付いたよ。

私の為に朝食を作っていてくれたんだよね。だからかな、君と食べる朝食の時間が一番幸せだったんだよ。いってらっしゃいって、おかえりって、いうのもすきだった。いい言葉だよね。心が温かくなる。


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