山賊上がりの近衛兵
元服の日
緊張の圧
「ジイジ、ジイジ……」
「ルーテシア様、お気を強く」
里を離れてから二日が経つ。
息を切らしながらルーテシアは隣で周囲を無言で警戒しながら進むベルトラインを不安げに見上げた。
里の者全てが隊列を組みながら獣道を進んでいる。そしてその数は、自分が知っている里の人数と比べて3分の2ほどしかなかった。
それは里を離れたその翌日、つまり昨日これまでこの山で集落を築いていた他の山賊達と交戦した事による物。
どうしてこのような状況になってしまったかが判らない。
この里に幼い時に来てから今まで、朗らかで明るい里の者達に可愛がられ、のどかな里の中で苦労しながらも暖かい環境で生きていく。それが彼女にとってずっと続くであろう当たり前だったはずなのに、一度里を抜ければ待っていたのは容赦なく自分たちの命を奪いに来る敵対勢力の存在だった。
「ルーテシア様、お気を強く」
里を離れてから二日が経つ。
息を切らしながらルーテシアは隣で周囲を無言で警戒しながら進むベルトラインを不安げに見上げた。
里の者全てが隊列を組みながら獣道を進んでいる。そしてその数は、自分が知っている里の人数と比べて3分の2ほどしかなかった。
それは里を離れたその翌日、つまり昨日これまでこの山で集落を築いていた他の山賊達と交戦した事による物。
どうしてこのような状況になってしまったかが判らない。
この里に幼い時に来てから今まで、朗らかで明るい里の者達に可愛がられ、のどかな里の中で苦労しながらも暖かい環境で生きていく。それが彼女にとってずっと続くであろう当たり前だったはずなのに、一度里を抜ければ待っていたのは容赦なく自分たちの命を奪いに来る敵対勢力の存在だった。