生まれ変わっても、またあなたに恋をした
「…よ……か………よし…たか……」


嫌…、死なないで、行かないで…


「義高……ゆう、き…」


私の、そばに…


「よし……た…………あ?」


ぱちっと目を開いた。

頬をつたっているのは、涙。


「夢…?」


にしては、生々しすぎる…

夢は、普通すぐ忘れてしまうものなのに、さっき見たものは頭を離れない。


あの2人は、誰…?

そしてあそこは…


綺麗な海、背後には高い山–––


「鎌倉…?」


行ったことも写真を見たこともない場所。

なぜ、少し思い出すだけで地名まで分かるんだろう。


もしかして–––前世?

…そんなこと、あるわけない。非科学的だ。

でも…どうしても引っかかる。


『義高』


ふと、あの名前が蘇る。

なんだか懐かしくて、心が温かくなる名前…


義高、といえば…源義高?

木曽義仲の息子で、源頼朝の娘・大姫の婚約者…?

つまり、あの2人は…

大姫と、源義高?


その瞬間、急激な眠気が襲ってきた。
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