生まれ変わっても、またあなたに恋をした
「退院、おめでとう!」


「ありがとう…お母さん、おばさん」


「美羽ちゃんー、本当に顔に傷が残らなくてよかったねぇ…」


「大丈夫だよ、おばさん…祐希がかばってくれたから…」


「え、祐希が?!でかしたわ、祐希」


「母さん…」


やっと退院できた私たちは、私と祐希と私たちの母で近所のファミリーレストランにきていた。


「アヤってば、そんなにべそべそしなくても」


「なによー、ハルは2人が事故にあったって聞いた瞬間腰抜かしてたじゃない!」


私たちの母はとても仲が良く、職場も一緒なのだ。小さいころ職場に連れて行ってもらったとき、母の同僚は『水野春(みずのはる)と森山彩奈(もりやまあやな)はいつも一緒にいる』と聞いたことがあるほど。


「はぁ…ほんと、母さんたち仲いいよな」


祐希が呆れてつぶやくのも、小さい頃から何度目だろう。

くすくす笑っていると、祐希がじっと私を見てきた。


「…なに?」


「いや…あの夢、まだ見てる?」


「あの夢…?」


聞き返すと、祐希は私の耳元でそっと聞いた。


「前世の」


それを聞いて、はっとした。


「そういえば…見てない」


「そ、か。じゃあいいや」


「どうして?」


「だって…美羽ってその夢見るとき絶対うなされてるんじゃないかなって」


「え…なんで」


「図星だろ?」


「まぁ…うん」


「だから、よかったって思った」


「ありがとう…」


祐希は本当に人の感情を読むのが得意だ。

思いやりがあって、優しくて…

そんな祐希のことが、…好き。


「美羽?顔赤いぞ?」


「だ、…大丈夫…」


自覚してしまった気持ちは、もう自分から覆い隠せなかった。
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