生まれ変わっても、またあなたに恋をした
「失礼します」


そう言ってドアを開けると、ドアから一番近いところに座っている担任の和泉先生が知らない男子と話しているのがパッと目に飛び込んだ。


「水野さん!鍵返しにきてくれたのね、ありがとう」


「いえ…」


私は、先生と話してる知らない男子をじっと見た。

知らないはずなのに、どこかで会ったことがある気がする。そして、知らないはずなのに…なぜか、怖い。

彼も私をじっと見ていて、目があった。

彼の目に浮かんだ感情は、興味–––きっと、それだけ。


「じゃあ、俺帰りますね」


彼はそう言ってドアに–––私の方にやってきた。


「水野、さん?」


名前を呼ばれ、なぜかゾクッとした。


「…は、い」


「…やっと、見つけた」


私だけに聞こえる声でそう言ってにやっと笑った彼は私の横をすり抜け、帰って行った。


「え…」


どこかで、会った?


「水野さん?どうしたの?」


はっと我に帰り、先生に鍵を渡した。


「あいつと知り合い?」


「いえ…多分」


「そっか。ま、鍵ありがとうね!気をつけて帰ってね」


「はい…さようなら」


そう言って職員室を出た。
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