【完】俺のこと、好きでしょ?
「はい、この話は終わり。勉強するよ」
藤くんはわたしの読んでいた漫画を取り上げて、本棚に戻すと机に行くように言った。
藤くんが少し寂しそうな顔をしてたのは、きっとわたしの見間違いだよね…?
*
「奈帆!藤くん!」
勉強をしていたわたし達の空気を壊すように開いた部屋のドア。大きな声で名前を呼び入ってきたのはお母さんだった。
「…どうしたの?」
こうやって、目がキラキラしてるお母さんの言うことは大抵いいことじゃない。
「夏祭り行ってきなさい!」
……ほら、やっぱり。
突然何を言い出すのかと思えば……。
行くわけないじゃん。