【完】俺のこと、好きでしょ?


「はい、この話は終わり。勉強するよ」

藤くんはわたしの読んでいた漫画を取り上げて、本棚に戻すと机に行くように言った。


藤くんが少し寂しそうな顔をしてたのは、きっとわたしの見間違いだよね…?





「奈帆!藤くん!」

勉強をしていたわたし達の空気を壊すように開いた部屋のドア。大きな声で名前を呼び入ってきたのはお母さんだった。

「…どうしたの?」

こうやって、目がキラキラしてるお母さんの言うことは大抵いいことじゃない。

「夏祭り行ってきなさい!」

……ほら、やっぱり。

突然何を言い出すのかと思えば……。

行くわけないじゃん。


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