【完】俺のこと、好きでしょ?
「おばあちゃんが浴衣届けてくれたのよー!ちょうど、お祭りあるんだから2人でどう?」
『どう?』じゃないよ。
藤くんは勉強を教えてくれに来てくれてるのに、それを止めてまで行くなんて申し訳なさすぎる。
それに、2人でなんて行ってくれるわけない。
「行く?」
「え?いいの?」
「なんでダメなの」
藤くんは笑ってそう言う。
だって、行ってくれるなんて思わない。
「せっかく浴衣準備してくれてるんだから行こうよ。来年は受験生で行けるか分からないし」
「わ、わたしと2人だよ?」
「地域の祭りだろ?同じ高校の人少ないだろうし、いいんじゃない?」
……そういうものなんだ。
でもさ、高校の人には会わないかもしれないけど、同じ中学の人達と会ったりするかもしれないよ?