【完】俺のこと、好きでしょ?
わたしの左側に座っている藤くんは、右手をブロック塀について左手でかき氷の入ったカップを持ってカブッと一口食べた。
「やっぱ冷たい」
「な、な……っ」
声にならない叫びとはきっとこういうものだ。
冷静にかき氷の感想言ってる場合じゃないからね!?
「おい、落ちる」
何も考えれなくなって、持っていたカップを落としそうになったのを藤くんは支えてくれた。まぁ、そうなると自然とわたしと藤くんの手は触れてしまうわけで……
「わぁ!」
それにまた驚いてわたしは声を出してしまう。
「お前な……」
「だって、藤くんがダメなんだよっ!普通、かき氷にかぶりつく!?」
「スプーン使うのだめならこの方法しかないだろ。まさか、そんなにあんたがピュアだとは思わなかったけどね」
恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい!
藤くんにとって、わたしと間接キスをすることは何も思わなくて、わたしだけがバリバリ意識してしまったことが今更恥ずかしい。