【完】俺のこと、好きでしょ?
*
2学期が始まって2週間ほど経った。
相変わらず、わたしと藤くんの距離は変わらなくて1週間に3日、家庭教師として勉強を見てくれるのも変わらず行われている。
今日は水曜日で、藤くんが家に来る日だ。
家に帰って、制服から私服に着替えて藤くんが到着するのを待つ。
18時を過ぎた頃、藤くんが到着してわたしの部屋にやって来た。
「今日はなんの勉強する?」
わたしの方を見ることなく、カバンを床に置いた藤くん。
「数学でお願いします!今日の授業で分からない所あったんだよね…」
「あー、空間ベクトル?」
「それ!ベクトルが苦手なのに、空間にしたらもっと分からないよ…」
それから数学に対する不満をグチグチと言っていれば、藤くんは呆れたように
「教えるからとりあえず座って」
そう言った。