【完】俺のこと、好きでしょ?


「愛子、帰ろう!」


涙を袖で拭いて、無理やり作った笑顔で愛子に言った。


愛子は「うん、帰ろうか」優しく微笑んだ。





愛子にお礼を言って分かれて、1人になった帰り道。


藤くんの彼女の姿を思い浮かべて、わたしは笑いが零れた。


綺麗で、かっこいい藤くんと並ぶとすごいお似合いだったなぁ…。


家に帰って、ベッドの上に正座をして今日のことを考える。


本当なら今日は藤くんが来て、わたしに勉強を教えてくれる予定だったのに…。


なんで、藤くんはいないの……っ。


さっき泣いたはずなのに、また涙が出てきて、これ以上泣かないために、わたしは


「よっし!」

気合を入れて、笑顔を作った。


わたしはもう充分涙を流した。

だからもう、泣くのはやめよう。


すぐには諦めること出来ないかも知れないけど、諦めるんだ。

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