【完】俺のこと、好きでしょ?
「愛子、帰ろう!」
涙を袖で拭いて、無理やり作った笑顔で愛子に言った。
愛子は「うん、帰ろうか」優しく微笑んだ。
*
愛子にお礼を言って分かれて、1人になった帰り道。
藤くんの彼女の姿を思い浮かべて、わたしは笑いが零れた。
綺麗で、かっこいい藤くんと並ぶとすごいお似合いだったなぁ…。
家に帰って、ベッドの上に正座をして今日のことを考える。
本当なら今日は藤くんが来て、わたしに勉強を教えてくれる予定だったのに…。
なんで、藤くんはいないの……っ。
さっき泣いたはずなのに、また涙が出てきて、これ以上泣かないために、わたしは
「よっし!」
気合を入れて、笑顔を作った。
わたしはもう充分涙を流した。
だからもう、泣くのはやめよう。
すぐには諦めること出来ないかも知れないけど、諦めるんだ。