【完】俺のこと、好きでしょ?
「基本はよく出来てるから、奈帆ちゃんは応用問題も練習したら解けるようになると思うよ!」
小林先輩の言葉に少しだけ引っかかった。
「…わたし、名前言いましたっけ?」
「あ…っと、…えっと…」
いきなり立ち上がって、焦りながらズボンを叩いたり、頭をかいたりし始めた先輩。
すると、
「ごめんなさい!!」
いきなり謝られた。
「えっ、せ、先輩!?」
逆にこっちが焦るよ!
なんでわたし謝られてるの?!
「俺…、奈帆ちゃんのこと知ってたんだ。あ!す、ストーカーとかじゃないよ!断じて違うからね!」
「そんなの思ってませんよっ!」
「奈帆ちゃんは俺のこと知らないと思うけど、俺は知ってました……。すいません」
「え、そうだったんですか!?」
謝らなくてもいいのに。
っていうか、なんでわたしのこと小林先輩は知ってたんだろう。
部活もしてないし、委員会もしてないから、先輩と関わる機会なんてほとんどないんだけどな…。