【完】俺のこと、好きでしょ?


なかなか歩き出さないわたしの手を藤くんは握って、無理やり歩かせようとする。


「藤くん……っ!」

「勉強教えなくなったからって友達じゃなくなるわけじゃないんだろ?なら、俺と帰るくらい全然いいじゃん。何か問題でもあんの?」


彼の名前を呼べば、立ち止まり少し怒ったようにわたしに言葉をぶつけた。


問題があるのはわたしじゃなくて藤くんの方でしょ?

しっかりと握られた手が余計にわたしを悲しくさせる。


こんなところ彼女に見られたらどうするの?


「俺はダメで、あいつはいいんだ」

握られた手に力が入る。

「男と一緒に帰ってただろ。家まで送るから行こ」

ねぇ、藤くん。


それはどういう意味?


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