【完】俺のこと、好きでしょ?
それに加えて、小林とかいう先輩と一緒にいる奈帆にイライラした。
『…大っ嫌い』
俺は嫌われたし、嫌われたけど……
このままあんな人に取られてたまるか。
*
「……触んな」
やっと見つけた奈帆は公園にいてしかも泣いていて、先輩に頭を撫でられてるという最悪な状況。
「うん、触らない」
奈帆の頭を撫でている手を振り払うと、笑いを堪えるように言った。
……奈帆のこと好きなんじゃねーの、え、こんなあっさり引き下がるもの?
「奈帆ちゃん、頑張れ」
先輩は、奈帆に1度だけ微笑んだ後
「奈帆ちゃんを泣かせたのは藤くんなんだから、ちゃんと自分で責任取りなよ。あと、俺は奈帆ちゃんのこと好きって思ってたけど君ほど好きにはなってなかったみたいだ…。だから、引き下がります」
俺とこの人は、たった1歳しか歳が変わらないはずなのに、すごく大人に見えて、泣かすことしか出来ない俺とは全然違う。