【完】俺のこと、好きでしょ?
「…な、奈帆?」
焦って彼女の名前を呼べば、泣きながら怒るように
「大嫌いって言ったんだよ…っ、わたし。藤くんのこと傷付けるようなこと、たくさん言ったのになんで…?」
そう言った。
なんでってそんなの決まってる。
「……奈帆が好きだからだよ」
「嘘だっ!だって、藤くん…迷惑って、好きな人いるって言った…」
「奈帆のこと守りたかったんだ。怖い目に合わせたくなかった。奈帆の笑顔を奪いたくないって思ったから……」
でも、それは間違いだったんだよな。
「俺、奈帆の隣にいたい。奈帆のこと、そばで守りたい。次は、あんな目に合わせないから。だから、俺と付き合って……よ」
「うん…っ。嬉しい。大好き、藤くん」
俺は、奈帆の手に自分の手を重ねて、強く握りしめた。
離さぬよう、強く…強く。