【完】俺のこと、好きでしょ?


謝らないといけないのは、どちらかといえば俺の方なのに奈帆は謝る。


奈帆が謝る必要なんて少しもないのに。


「……でも、嬉しい。藤くんがヤキモチ妬いてくれて」

「うざいって思わねーの?」

「お、思うわけないよ!」

「ふーん。なら、よかった。あ、今後は小林先輩と仲良くするの禁止ね。うざいから」

「先輩、いい人なのに」

「また塞ぐぞ」

奈帆は顔を真っ赤にして、黙り込んだ。

あぁ、可愛い。



これから先、奈帆のこと何度も可愛いって思って、何度も好きだと思って、それをちゃんと本人に伝えることが出来たらいいな。


思うたびに伝えて。


そうすればきっと、奈帆は笑ってくれると思うから。

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