【完】俺のこと、好きでしょ?


クラスの女の子からの視線が痛い。


それに噂を聞きつけたのか、廊下にはたくさん女の子がいて


「あの子が藤くんの彼女?」

なんていう声が聞こえてくる。


「あのさ、聞いてほしいんだけど」

藤くんはわたしの手を握って、俯いていたわたしは顔を上げた。


「ずっと好きだった子と付き合えたんだ。だから、泣かせたくないって思うし、みんながそんなことしないって思ってるけど、いじめたりなんてこと絶対しないでね。したら、俺…なにするかわかんねーから」


前半はいつもの王子様のような藤くん。

……だったが、後半は素の藤くんだった。

口調が乱暴で、彼の顔に笑顔はない。


藤くんの言葉を聞いてた人のほとんどが、生唾を飲み込んだんじゃないだろうか。


ブラック藤くんになれてるわたしでさえ、ドキッとしたんだから。


< 206 / 240 >

この作品をシェア

pagetop