【完】俺のこと、好きでしょ?
クラスの女の子からの視線が痛い。
それに噂を聞きつけたのか、廊下にはたくさん女の子がいて
「あの子が藤くんの彼女?」
なんていう声が聞こえてくる。
「あのさ、聞いてほしいんだけど」
藤くんはわたしの手を握って、俯いていたわたしは顔を上げた。
「ずっと好きだった子と付き合えたんだ。だから、泣かせたくないって思うし、みんながそんなことしないって思ってるけど、いじめたりなんてこと絶対しないでね。したら、俺…なにするかわかんねーから」
前半はいつもの王子様のような藤くん。
……だったが、後半は素の藤くんだった。
口調が乱暴で、彼の顔に笑顔はない。
藤くんの言葉を聞いてた人のほとんどが、生唾を飲み込んだんじゃないだろうか。
ブラック藤くんになれてるわたしでさえ、ドキッとしたんだから。