【完】俺のこと、好きでしょ?
藤くんにメロメロで目がハートって……。
喜んでいいことではないよね?
「柊真くんが本気ってみんな分かったんじゃないかな?だから、きっと大丈夫だよ」
愛子はわたしが中学二年生の時に先輩に閉じ込められたことを知っている。
今言った“大丈夫”の意味は、そんなことする人はいないから“大丈夫”って意味だと思う。
「何の騒ぎ?」
「あ、藤くん。おはよう」
「うん、おはよう。で、奈帆の周りにこんなに人がいるって珍しいな」
「……朝から失礼だね。みんなが藤くんにメロメロなんだって」
少しの嫌味を込めて言った言葉に藤くんは笑って
「そんなのずっと前からじゃん」
そう答えた。