【完】俺のこと、好きでしょ?


なかなか面倒くさいところに住んでると思うよ。


「じゃあ、急ごうよ!」

「そう言ってる。怒られたい?」

「すいません……」


もう怒ってるでしょ。とは、怖くて言えなかった。





藤くんとやって来たのは、市内にある少し大きめのショッピングモール。


店内には色々な専門店があったりして、見て回るだけでも充分楽しめる。それに、1階にはご飯を食べるところもあってそこで今日は食べるのかな?ってわたしは勝手に思ってる。


2階にフードコートもあるけど、そこでじゃ食べないよね?多分……。


藤くんのことだ。きっと、日頃の感謝の気持ちを込めろとか言って、高いご飯請求してきそう。

「どこでご飯食べるの?」

「…まだお昼の時間じゃないけど」

「朝ごはん食べてないからお腹すいちゃった」

「俺は空いてない」

……なんなの、もう!酷くない!?

寝坊したわたしが悪いけどさ。

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