【完】俺のこと、好きでしょ?
勉強机の上には、やりかけの参考書が置いてあって、それの上に置いてあったのは大学のパンフレット。
「え……」
何冊か置いてあるパンフレットを、ダメだと分かっていながらも見てしまった。
全部、県外の大学のパンフレットで所々に付箋が張ってあって、藤くんは将来のことを真剣に考えているんだと分かるものだった。
「ごめん、遅くなった……あ、それ」
最悪なタイミングで部屋に入ってきた藤くん。
話したいって思ってた。
大学とか考えてるの?って、聞いてみようかなって。
でも、わたしは勝手に見ちゃって知ってしまって、何とも言えない空気がわたしと藤くんの間に流れた。