【完】俺のこと、好きでしょ?
藤くんは笑顔でわたしに向かってお礼を言った。
「本当は興味あるんだ…。父さんの影響もあって法学を大学で勉強したいって思ってる。国公立大学に行きたくて、その中でもこの大学は法学に力入れてるから……」
藤くんが法学に興味があったなんて初めて知った。
「わたし、今すごい嬉しい。藤くんが自分の事話してくれて…。勉強…っあれっ…」
ただ、話しをしただけでまだ藤くんが行くとも決まっていないのに、わたしの目から涙がこぼれた。
すぐにわたしが泣くから、きっと藤くんはこの話をわたしに出来なかったんだよね。
「奈帆」
そっと藤くんはわたしを抱きしめた。