【完】俺のこと、好きでしょ?


「俺の気持ちはずっと変わんないから」

「うん…っ」

「何年変わってないと思ってんの?今年で5年目だぞ。奈帆より美人の人に告白されても、俺は一回も気持ち変わったことない。もし大学に美人がいたとしても俺はなんも思わないよ」


——だから、大丈夫。


安心させるように呟く藤くんの言葉はスッとわたしの心の中に入ってくる。


「お世辞でもわたしの方が美人って言ってよ」

「俺は、背が低くて少し子供っぽくて、問題が一つ解けただけでバカみたいに感動して、よく笑って、でもすぐ泣く奈帆だけが好き」

「っ」


わたしは、この日のことを忘れないだろうなって、抱きしめられている藤くんの腕の中でぼんやりと考えた。


少し不器用な藤くんなりに、一生懸命に言葉を出してくれて、わたしにたくさんの言葉をくれる。


そんな彼のことを、今まで以上に好きだと思う。


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