【完】俺のこと、好きでしょ?
「…一回名前呼んだら、抑えられないと思ったんだよ」
「え」
「とりあえず、奈帆が思ってるより俺は奈帆のこと好きだと思うよ」
予想していた答えとは違う答えが返ってきて、なんだかちょっと敗北感。
「一回さ、担任に雑用任された日あったの覚えてる?あれ、担任に俺と奈帆がやりますって言った。だから、急に奈帆が指名されたんだよ。学校の雑用なら二人きりになってもいいかなって思ったから」
まさかそんなところまで手をまわしていたとは…。
「一緒に遊びに出かけたのも、奈帆と一緒に行きたかったから。あとね、風邪ひいた日も俺起きてた。寝ぼけてなんかなかったよ」
「嘘だ…」
「寝ぼけてあんなこと言う方が怖いだろ。ベッドの下で寝てた奈帆を上にあげたのも俺。抱きしめてこのままずっといたいなって思ってた」
柊真くんがたくさん思ってくれてたことを知って、嬉しくなった。
だって、柊真くん全然話してくれないんだもん。